「BCPって本当に必要なんですかね?」
「本当に大きな災害になったら、なるようにしかならないでしょう…」
というご意見、時々伺いますし、そう思う気持ちもわからなくもないです。
とにかく雛形を埋めて形を作ろう、というBCPであれば、正直、不要です。
なぜなら、緊急事態になった時、普段から身についている、浸透していることしか
できないからです。
BCPを作っていくプロセスは、経営そのものの棚卸しでもあります。
・事業継続する重要事業は何か?
・緊急事態の時の指揮命令系統は?
・重要業務のプロセスで最も大事な部分は何か?
・連絡すべき関係機関はどこか?
・ライフライン断絶、ロジが止まった時の代替策は?
などなど…
例えば、↑のような項目が並んだとき、
「そりゃ、もちろん売上が一番大きい事業でしょ」
「社長を筆頭に、普段通りの順で役員が担当するでしょ」
「重要事業にとにかく人を集中させないと」
という感じで、頭に浮かんでくるのではないかと思います。
頭に浮かんできた考えを、雛形に書き込んでいけば、BCP完成。
雛形といえど、書き込むには労力も必要ですし、文書化されると「できた感」
があります。
しかし、ここで終わってしまっては、いざ緊急事態が生じたとき、
適切な初動対応ができる人は、どのくらい社内にいるでしょうか?
実際に被災した事業所の方は、
「BCPを見る余裕はなかった。普段していることしかできなかった」
と仰います。
BCPは、作る過程で「社員のひとり一人の安全を守るためにどう動けば良いか」
をよく考え、現場に落とし、見直す。
定期的に練習を繰り返し、マニュアルを見なくても行動できる習慣を作る。
何%かのリスクに備えることを「手間」と捉えるのではなく、
BCPの作成や運用を通して、万が一に備えつつ、組織を強くするツールと
捉えてみてはいかがでしょうか。
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